« 篝火花 | トップページ | 今年もいよいよ押し迫って・・・・。 »

尊厳の芸術展

12月9日、東京芸術大学美術館で開かれていた
”尊厳の芸術展”を観に行った。

テレビや新聞で幾度となく放映されていたこの芸術展、
太平洋戦争中のアメリカで、強制収容所送りされた日系人が
厳しい生活環境の中で、限られた材料と、道具をもとにつくられた
美術工芸品や日用品の数々。
”尊厳の芸術展”” GAMANの芸術~日系アメリカ人尊厳の世界”
と称された展覧会でした。

Img_0228


居住に提供されたのは隙間から砂煙が吹き込む、家具一つないバラック。
収容所の多くは草木も生えぬ砂漠の中にあり、殺伐とした風景の中は
心を慰める美しいものはなにもない環境でした。

Img_0229


日系人たちは、鉄条網と砂煙に自由を奪われましたが
精神の自由を失うことはありませんでした。
美しいものへのあこがれ、そしてそれを表現したいという欲求があったのでしょう。
そして少しでも自分たちの暮らしを心地よくしたい思いから
乏しい道具と材料を使って生活用品を作り、心の潤を得ていたのでしょう。

Img_0231

Img_0239

このブローチ、無数の貝殻で作られています。
貝殻は、地面をひたすら掘ってようやく手にいれられるものだったそうです。
素晴らしく美しいものでした。

Img_0232

日米交戦状態で、もやは収容所から出ることは、
絶望的だと思ってたのかもしれません。
そんな中においても、ニッポン人移民は勿論
日系アメリカ人も故国日本の文化と伝統は忘れなく、こんな作品も作ってました。

自宅の仏壇は持参することはできなかったので
自ら作った仏壇、
丸太をくりぬいて、扉の開閉もできる本格的なお仏壇です。

Img_0236

そのほかにも、木製の刀、お茶道具、着物姿の人形、硯・・・・など
あまりにち密で、美しく、これらを前にして、言葉は要りません。
ただ、ただ感動でした。
そして、自分たちの、
ルーツを忘れない人間の心意気と尊厳さが伝わってきました。

また収容された人々は、番号が付けられ呼ばれていました。
表札を作り、ここにいるのは私なんだと、自分の名前に誇りを持っていた日本人。
バラックのドアに釘で打ちつけていたのだそうです。

Img_0238

収容所内にカメラを持ち込むことは禁止されていて、
暮らしの実態を伝えるのは、
アメリカ側の撮影の記録しか残っていない。
それでも人々は、絵をかくことはできます。
収容所の様子を絵や
彫刻で語っていました。

Img_0241



アート・オブ・ガマンと名付けられた作品展、
切なくも、美しい作品の数々、それは、芸術を学んだ人の作品展でなく
収容先の厳しい環境の中で、心豊かに、そして明日への希望を持って}
威厳と誇りを捨てずに生き抜いた人々の作品でした。

たまたま、今年の夏、アメリカの旅で
マンザナー収容所を通っており
なにもない荒涼とした地に
唯一つ、ぽつんと立っていた監視塔のあの光景が
瞼に蘇ってきました。

|

« 篝火花 | トップページ | 今年もいよいよ押し迫って・・・・。 »

美術鑑賞」カテゴリの記事

コメント

にりんそうさん、ご無沙汰ばかりでごめんなさいm(__)m

にりんそうさんもお風邪を召されていたのですね。私は1ヶ月もぐずぐずしましたよ(^_^;

それからパソコン買い換え...私も去年の初めに買い換えたときは往生しました。キーボードに触らず、ネットで主人に適当に選んでもらったはよいのですが、実際に使ってみると使い勝手が悪く、慣れるのに時間がかかったし、今でも使いにくいです。次は絶対触って決めようと思っています(^_^;

この芸術展のこと、存じませんでした(^_^; 貴重なものをご覧になりましたね。

今年もお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

投稿: takuです | 2012年12月27日 (木) 19時38分

takuさま、おはようございます~。
こちらこそご無沙汰ばかりでごめんなさい。
今年もいよいよ押し迫ってきましたね。
一年がなんと早く過ぎ去るのでしょう。
今年は、体の調子も良く、山にもたくさん登れたし、旅行もできたし・・・で、良い年をおくることできました。
takuさまも、お孫ちゃん誕生と、何よりの宝を得た一年だったかとおもいます。
尊厳の芸術展、
スミソニアン美術館での展示のすごい反響をうけ、
NHKの日曜美術館、クローズアップ現代でとりあげられ、
放映されたのを見て知りました。
日本人って本当に素晴らしいと感じました。
この展示会を企画した米人は、
これらの作品を見て
これは、アメリカ人の恥である、
という意味の言葉を発していました。

パソコンはいまだ、いらいらしながら操作、
私もパソコン店に、お任せでお願いしたこと
後悔しているんですよ。

来年もまたブログ、ぼちぼちと気張らずにいていきます。
taku様のブログもたのしませてくださいね。

どうぞよいお年を。
楽しませてくださいね。

投稿: にりんそう | 2012年12月28日 (金) 09時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/507589/56390411

この記事へのトラックバック一覧です: 尊厳の芸術展:

« 篝火花 | トップページ | 今年もいよいよ押し迫って・・・・。 »